のどかな風景の高難易度というゲームバランス
前々からすごく気になっていた「Kingdom Come:Deliverance」というインディーズゲームをsteamで購入。木漏れ陽にあふれる森や美しい水の流れる川、そしてのどかな村の風景が広がる中世ヨーロッパの世界を舞台にしており、なんというか走り回るだけで楽しいに決まってるのはわかっていたのでとうとう買ったというわけです。
まだおそらく中盤あたりでしょうが、数々の風景をスクショに収めたのでいくつか載せます。どうでしょう、美しくありませんか?
画質は1920x1280のフルハイビジョンですが、4K画質ですと言われても違和感ないくらいにキレイですね。息を呑むほど美しい風景、音楽もヨーロッパの民族音楽らしきものが流れて雰囲気を出している、すばらしい!ホントに買ってよかった・・・
と、ここまでは美しい世界を素敵に優雅に駆け巡っている印象ですが・・・これ、かなりユーザーを選ぶゲームだというのが私の感想です。
このゲーム、難易度がかなり高いです。それはシステムからしてリアリティを重視している事にもあります。まずは食事と睡眠について。どちらも定期的に摂取しないとどんどん弱っていき、視界がブレたりかなり見えづらくなったりという演出があります。弱った状態で敵に襲われるとひとたまりもなかったりするので、慣れないうちは結構慎重に行動しないと手痛い目に合うこともしばしば。そして食事、たとえばリンゴを手に入れたとしてしばらく使わず置いとくと腐っていきます。で、腐った物を食べると食中毒を起こすことがあります。しかもこの写真の説明どおり、解毒方法が結構限られるので一度なったら割とめんどくさいです。こういう苦労もリアリティの一貫ではあるかなと。
そしてRPGというジャンルである限り(?)お決まりの戦闘があるのですが、これが相当難しいのです。たとえば村人と喧嘩すると当然殴ったり攻撃をかわしたりしてくるのですが、ただの村人が当たり前のようにガード崩しをしてきたり、プロボクサーさながらのフットワークでこちらの攻撃をスウェーバックという高等技術を使って余裕がかわします。
一応序盤の方から戦闘訓練も任意でできますし、ただ殴ったりしてるだけでも戦闘レベルが上がっていくという救済措置が用意されてるので、これを活用すればそこそこ戦えるようになります。
そのひとつがこのバーナードさんの訓練なんですが、こいつも当たり前のように攻撃を弾き、余裕でかわしつつ容赦なくカウンターを喰らわしてきます。
いわゆるチュートリアルの一貫にもなる戦闘訓練のはずですがガチガチにガードしつつボコッて来るので、大抵の人はここで一旦心が折れるのではないでしょうか。わたしは折れました。
ほら、こんな風にすぐに弾いてきた刹那に襲いかかってきますので。ちなみにこのゲーム、剣を振り回したりただ戦闘してるだけでも成長するのでちょいちょいレベルが上がっていきまうす。、一応レベルが上がると剣速が上がるためか攻撃が当たりやすくなったりもするので、コツコツやってけばそれなりに戦えるようになってはきます。まあいずれは戦闘に勝てるようにはなる、そんな感じでしょうか。
この戦闘システムについてはかなりクセがあって面白いのですが、それはまた別の機会があれば書こうかと。とにかく難しいのはたしかです。
そしてRPGといえば人に家のツボを勝手に割ったり、タンスを開けて物を奪ったりとするのが醍醐味(?)ですが、ツボを割ることはありませんがこのゲームにもそういう要素はあります。ただし見つかると犯罪者として投獄されるのでむやみやたらにやるとかなりリスクがつきまとうので・・・これもリアリティを追求した結果でしょう。
で、この人の家のカギのかかった収納箱をロックピックがあれば開けることができるのですが、これがまた難易度が高い。とりあえず写真で説明をと。
こんな風にカギ穴にピックを差し込む演出が施されます。「左スティック」でロックピックを差し込む位置を調整するのですが、黄色い丸が出る箇所がヒットした場所となります。で、この「左スティック」で差し込み位置を調整しながら「右スティック」でカギを回転。その時、黄色い丸が灰色になってしまうと開けれないので、常に黄色になるように「左スティック」もそ~っと回しながら「右スティック」でうまくカギを回して・・・
はい失敗しました。「ガチャッ!」だって・・・。難しすぎます、ちょっとした苦行です。これを何回か繰り返す内にあなたはきっとイラつきを隠せなくなってくるでしょう。
でもご安心ください。このロックピックも数をこなすだけでレベルが上がっていき、それと同時に難易度が下がっていきます。初めはもう無理だと諦めらめてしまうかもしれませんが、そのうち割と簡単に開けれるようになるのでこれもコツコツとやっていくことが必要です。
その他諸々含め、何するにも地道にコツコツすることが必要不可欠なシステムなので、あっさり簡単なゲームよりも難しいゲームがいいっていう人や、あとは気長に根気よく積み上げていくのが大好物という人にはツボにハマるゲームだと思います。逆に、無双シリーズやニーアオートマタとかアサシンクリードオデッセイのような爽快アクションを期待すると何か違う・・・となるかもしれませんね。
・・・文章見返すと割とネガティブな印象がありますが、私の感想は高難易度の良作RPGだったりします。このゲームの難易度、時に理不尽を感じることがあり正直ストレスに感じることが度々ありますが、ゲームの出来自体はとても良いと思います。戦闘もそうですが、人のものを盗む行為の難しさ、睡眠や食事のバランスと無理をしたときに伴うリスクなどなど、よくあるファンタジーとは違い主人公が無敵でなく恐ろしく弱いところにとてつもないリアリティを感じることができる。このゲームなのに簡単に事が運ばない。・・・これらの「思うようにいかない事柄」と始めに触れた「リアルで美しい風景」がうまく噛み合って没入感を生み出してるような気がします。
他のゲームではなかなか無い感覚を味わえると思いますので、もし少しでも気になりましたら一度はプレイすることをオススメしたいと思います。
2021年6月22日